金研分析電顕室 利用者各位
2024/06/24現在当室管理のTEM(JEM-ARM200F(STEMコレクタ))が不調のため使用不可となっております。復旧時期は未定です。また、この不調に伴いTEM講習会(JEM-ARM200F:初級ライセンス:2024/7~9実施予定)の開催時期を延期致します。
故障期間中のJEM-ARM200F(STEMコレクタ)の使用予定につきましてはJEM-ARM200F(Wコレクタ)で対応致しますが、マシンタイム、対応スタッフのスケジュールが混雑することが予想されますので、ご利用予定の方は、早めのスケジュール確保をお願いします。
ご不便をおかけして大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。不明な点はお尋ねください。
金研分析電顕室 長迫
トラブル詳細(参考)
- 装置
- JEM-ARM200F(STEMコレクタ) 金研2号館B14室
- 発生時期
- 2024/6/8-9の計画停電後の復帰作業中に発生
- 症状
- 電子線が一方向にドリフトし続け、一定量ドリフトすると元の位置に戻り再びドリフトする動作を繰り返す。
- エミッション電流の増大に伴い、ドリフト速度が上昇する。
- 偏向系コイルの電流に異常は見られない。
- TEM/STEMいずれのモードも実用困難。
- 電子線が一方向にドリフトし続け、一定量ドリフトすると元の位置に戻り再びドリフトする動作を繰り返す。
- 考えられる原因
- 電子線経路の途中でチャージアップが生じている。
- ガンバルブ付近のコンタミの可能性が高い(未確定)。
- 対応について(検討中)
- 修理による対応
- 疑わしい箇所をクリーニング・交換し、状態確認を繰り返す必要があるが、大がかりな分解をともなう。
- ガンバルブ回りのコンタミが関係している可能性が高いため、電子銃ごと交換する。
- 電子銃は2014年の導入以来未交換だった(通常は5年程度で交換になることが多い)。従って、2025年度の交換を検討していたが、この予定を前倒しし、電子銃の交換及び周辺箇所の整備を併せて実施する方が望ましい。
- 費用が高額且つ作業期間も必要となる。
- 軸調整による対応
- チャージ箇所によっては、当該箇所を避けるように軸調整をおこなうことでその影響を低減しドリフトを避けられる可能性がある。
- 標準的ではない軸調整を行う為、性能や使用感に影響がある場合がある。
- 以前はこの対応が有効だったが、現状では軸調整では対応できていない。
- 症状が進行している可能性がある。
- チャージ箇所によっては、当該箇所を避けるように軸調整をおこなうことでその影響を低減しドリフトを避けられる可能性がある。
- 偶然良くなる場合もある
- 経時によりコンタミ・チャージアップの状態が変化し、状況が改善する場合もある。
- 鏡筒のベークアウトを繰り返しているが、状況の変化はない。
- 修理による対応