2024年度以降の分析電顕室の体制について

本ページの内容は検討中の内容を含み流動的です。
本ページの内容は予告なく変更される場合がありますので予めご了承ください。

利用者の皆様

いつも金研分析電顕室をご利用頂きありがとうございます。

当室では、これまで教員1名、技術職員1名、及びARIM事業班スタッフ(プロジェクト雇用)の体制で運営してまいりましたが、2024年度より技術職員が異動することになり、技術職員不在の状況となります。この変更により、当室の研究支援体制が非常に大きな影響を受ける可能性が高いため、現在、今後の運営体制について検討を進めております。

直前の異動決定であり準備期間が十分に確保できず内容は流動的ですが、現状と当面の体制について下記の通り、ご案内申し上げます。 利用者の皆様には不便と心配をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

  1. 人員補充について
    • 後継技術職員の補充を要求しておりますが、配属は未定です。
    • 技能継承や業務引継は後継技術職員の配属後を予定しております。
      • 電子顕微鏡の管理及び研究支援に30年の経験があるベテラン職員の異動となるため、引き継ぎ及び体制の立て直しには十分な期間が必要になる見込みです。

  2. 装置と支援内容について
    提供を続ける装置と支援内容については整理する必要がございますが、利用者アンケートからは、全ての装置・支援について維持を期待する結果がでており、また、技術職員転出の影響についての評価が定まっていないため、当面のあいだ主要装置の「廃止」は行いません。

  3. 優先順位:
    提供を続ける装置と支援内容について方針が確定するまでは、現有装置のコンディション維持を最優先とします。その他の業務をふくめた優先順位は以下の通りとします。
    1. 装置のコンディション維持
    2. 既存(上級・標準)ユーザーによる直接利用(技術支援が不要なもの)
    3. 現在進行中の依頼案件・共同研究案件対応
    4. ユーザーファシリティ機能の強化(トレーニング体制の強化とライセンス制の導入)
    5. 新規の依頼対応(1.所内 2.学内 3.学外)

  4. 各装置の利用受付について
    1. TEM
      1. 受付停止(コンディション維持):JEM-2000EXII,EM-002B
      2. 受付継続:JEM-2100plus,JEM-ARM200F(W,STEMコレクタ)
    2. 試料作製装置
      1. 受付停止:イオンミリング(Model1010,PIPSII)、イオンスライサ
      2. 受付継続:FIB(Quanta,Versa)
    3. 試料準備室:受付停止(スタッフによる内部利用のみ)
    4. その他の装置:受付継続
      1. XRD
      2. DSC,DTA・TG
      3. オスミウムコータ

  5. 技術的対応の担当:
    • TEM/STEM観察及び試料作製(FIBを除く):ARIM事業班スタッフ及び教員
    • FIB:ARIM事業班スタッフ(FIB担当)
    • その他の装置:ARIM事業班スタッフ

  6. ユーザーファシリティ機能強化への取り組み:
    • 装置毎のトレーニングプログラムとライセンス制を導入し、ユーザーファシリティーとしての利用を促進します。
    • トレーニングの詳細は準備出来次第案内します。
    • 設定するライセンス:基礎・初級・標準・(上級)
      • 「初級ライセンス」取得で:単独使用・直接予約が可能となります。
      • このライセンスは、装置を安全に、故障やトラブルなく使用できる技能を認定するものです。研究内容によって実際に必要な実験技能(視野探し、方位出し、特殊実験等)は異なるため、このライセンスには含まれません。
      • トレーニング目安
        • 基礎 (2回):安全・設備・試料セット・ビームだし・開始・終了等
        • 初級 (5回):基本観察(低中倍のTEM/STEM)・単結晶電子回折・EDS等
        • 標準 (6回):高分解能TEM/STEM・EELS等
      • 定期開催(無料予定):初級ライセンスコース(年2回)・標準ライセンスコース(年1回)・オンデマンド開催は有料
    • トレーニングはグループ内の上位ライセンスユーザーも実施可。ライセンス認定は当室スタッフが行うが、グループ内上位ライセンスユーザーによる認定も可能とする予定。

  7. 依頼分析への対応:
    • 利用者からの分析依頼に対しては、技術スタッフ内で実施の可否・担当者・実施時期を検討した後に「受任」し、その後「着手」「完了」という流れとなります。
    • 人員不足により依頼分析の対応に遅れが生じます。
      • 具体的には、「受任」までに2週間「着手」から「完了」までには1~2ヶ月程度を見込んで下さい。
    • 依頼分析の窓口は専用WEBフォームに一元化します。
      • 口頭やメールでご依頼の場合もフォーム入力をお願いします。
      • ARIM課題について従来通り。(こちらも同様に対応が遅れる可能性があります。)

  8. ユーザーファシリティ(直接)利用への対応:
    • 上級・標準ユーザー(すでに単独利用をされている方)は従来通り使用できます。
      • 技術補助が必要な場合は事前にご相談ください。
    • 新規ユーザーの方は、トレーニング体制が整うまでお待ち下さい。
      • 準備が出来次第案内いたします。

  9. 試料作製についての対応:
    • イオンミリング及びイオンスライサによる試料作製代行を一時停止します。
    • 試料準備室の利用受付は一時停止します。
    • FIBによる試料作製は、ARIM事業班が対応致します。

  10. 利用申請について:
    • 装置予約(マシンタイム確定)・分析依頼の際には事前に利用申請をお願いします。
    • これまでは事前相談の時点で予備実験等に先行着手し、利用申請が事後となってしまうケースがありましたが、事務手続きが煩雑になりますので、マシンタイム予約や依頼分析の受任については原則として利用申請が済んでいることを前提といたします。

  11. 利用料金について
    • 今回の人員不足に伴う支援体制の弱体化により、短期的には装置稼働率の低下が避けられません。装置利用料≒維持費/総課金時間であり、維持費は稼働率とは連動せず固定費的にかかるため結果として、利用単価を値上げせざるえないことが予想されます。
    • 具体的な料金改定については、今後の稼働実態や運営方針の決定を見てから判断することになります。

  12. 問い合わせ・受付窓口
    • 分析電顕室(1-105室)は常駐スタッフが確保できるまで、常時開錠を停止します。
    • 問い合わせ・受付窓口(一般):
      • ARIM事業班事務室(2-606)/平日9:30-12:00、13:00-17:00
    • 分析依頼・トレーニング依頼
      • 専用WEBフォーム(現在準備中です)

利用者の皆様におかれましては大変なご不便とご心配をおかけ致しますが、何卒ご理解ご協力のほどをお願い致します。

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