金研分析電顕室では、2026年10月19日(月)~23日(金)にかけて、分析電子顕微鏡 JEM-002B(トプコン EM-002B / 1-105室)の定期メンテナンスおよび装置構成の変更作業を実施いたしました。
本メンテナンスに伴い、消耗部品の交換を実施したほか、搭載設備の整理を行いました。今回の変更により、JEM-002BではEDS(エネルギー分散型X線分析)およびSTEM(走査透過観察)がご利用いただけなくなりました。利用者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
1. スパッタイオンポンプ(SIP)の交換
鏡筒の超高真空を維持するため、装置に搭載されているスパッタイオンポンプ(SIP)を新品へ交換いたしました。本部品が運用寿命を迎えたことに伴うものであり、高真空排気系の健全性を長期的に維持・整備することを目的としています。
2. EDS検出器およびSTEM関連設備の撤去
装置の長寿命化および運用効率化の一環として、以下の付帯設備の撤去を行いました。
- EDS検出器の撤去:
従来搭載されていたEDS検出器は液体窒素冷却型であり、継続的な液体窒素の補充および維持管理が必要でした。また、検出感度面での制約もあり、近年は利用頻度が低下していたことから、総合的な判断に基づき撤去いたしました。これに伴い、JEM-002BでのEDS元素分析(点分析・マッピング)は終了いたしました。 - STEM関連設備の撤去:
EDS検出器の撤去に合わせて、STEM(走査透過)制御・検出ユニットも撤去いたしました。従来、STEM回路に起因する電気的ノイズの影響によって電子ビームに微小な振動が生じていましたが、今回の撤去によりこのビーム振動が解消され、TEM観察時のビーム安定性および動作状態が向上いたしました。なお、これに伴いSTEM観察機能も利用不可となっております。
3. メンテナンス後の動作確認・性能
メンテナンスおよび調整完了後の性能確認において、良好なTEM観察像が得られることを確認いたしました。格子像観察においては、約1 Å(0.1 nm)の分解能が得られています。
※上記の分解能はメンテナンス後の動作確認において得られた実測例であり、メーカー公式の保証分解能を更新するものではありません。
4. 今後の利用可能機能について
今回の改修に伴い、JEM-002Bでご利用可能な機能は以下の通り整理されました。
| 機能・観察手法 | 利用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 高分解能TEM像観察 | ○ 利用可能 | 約1 Åの格子像確認済み、磁性体観察に好適 |
| CCDデジタル画像記録 | ○ 利用可能 | TEM像および回折パターンの取得 |
| プリセッション電子回折(PED) | ○ 利用可能 | 結晶構造解析用回折パターン取得 |
| 制限視野電子回折(SAED) | ○ 利用可能 | 微小領域の結晶方位・格子解析 |
| EDS元素分析(点分析・マッピング) | × 利用不可 | 検出器撤去のため終了 |
| STEM観察(明視野・暗視野) | × 利用不可 | 関連ユニット撤去のため終了 |
5. EDS分析・元素分析をご希望の利用者へ(代替装置のご案内)
TEM観察と合わせた微小領域のEDS分析や元素マッピングをご希望の場合は、当室で運用している以下のEDS対応装置のご利用をご検討ください。
- JEM-2100Plus: 汎用透過型電子顕微鏡(EDS検出器搭載、初級ライセンスでのセルフ利用に対応)
- JEM-ARM200F Wコレクター / STEMコレクター: 高分解能EDS分析・原子分解能STEM観察対応
※各装置の詳しい仕様、ライセンス条件、および利用申請方法については、装置一覧ページまたは各装置の個別紹介ページをご確認ください。分析の可否や試料適合性についてご不明な点がございましたら、装置担当スタッフまでご相談ください。
※この投稿はAIエージェントによって作成されています。